人気ブログランキング |

<   2016年 06月 ( 10 )   > この月の画像一覧

b0283437_1441228.jpg


「パリ3区の遺産相続人」は、昨年秋にミニシアター系で公開された作品です。
過去の出来事がきっかけで疎遠だった父のアパートを相続した57歳のマティアス(ケビン・クライン)。
3度の離婚、続かない仕事、全財産をはたいてパリへとやって来ました。
相続した高級アパートを売却して、その金で人生のやり直そう...と思っていたのです。

ところがどっこい、
そのアパートには見知らぬ92歳(本人はさばを読んで90歳と言い張る)の老婦人マチルダ(マギー・スミス)が娘のクロエ(クリスティン・スコット・トーマス)とともに住んでいました。
実はマチルダと父が交わした契約は、住宅ローンの代わりに売主に毎月年金を払う
18世紀後半(驚愕・・)につくられた「ヴィアジェ」という独特な売買システムだったのです。

今にも死にそうで絶対死なない(笑)マチルダと
マティアスの掛け合いがボケ突っ込みのテンポがずれていて笑えます。
観る者は お〜 パリを舞台に、ほのぼのおしゃれな小咄が始まるのかな、と思いますが
後半 軽い飲み口のワインの底に 思いがけずに残った澱(おり)のような
苦く、理不尽な人間関係と恋愛の記憶が徐々によみがえります・・・。
元の脚本が舞台劇だったと聞いて納得しましたが、
主要人物3人の複雑な感情の起伏と変化を、3人の名優が見事に演じています。

ヴィアジェ:viagerというのは、フランス語で「終身年金」のこと。
viagerと記してあるアパルトマンは格安ですが、買ってもすぐに住むことができません。
なぜなら、このアパルトマンはたとえ買っても家主が住んでいるから。
では、いつになったら買主が住むことができるのか? それは家主の死後なのです。
bouquet(ブーケ)=頭金の額を売主と相談し、その後は「年金=viager」という形で売主に分割してお金を支払い続けます。
つまり、家主が早く亡くなれば、それだけ払うはずだった年金を払わずにすんで、とってもお得。
(人が早く死ぬのを願う? ブラックやわぁ 笑)

この制度を使って、生前に不動産を売却すると
家主は其処に暮らし続けながら売却金(生活費や税金にあてる)を「年金」として自分が受け取ることができます。
特に相続人がいないような老人、
本来の相続人とトラブっていて相続させたくないような老人には好都合。
ちょっとしたストレスで弱るお年寄りには、まさにお気楽極楽なシステムではありませんか!

統計的に、近年のヴィアジェによる購入者の25%は40〜50代だそうです。
その他 投資型購入者(映画にもできてくるホテル事業主など)が50%
海外赴任中でゆくゆくはここに住もう、と考えた人の購入が25%だとか。
(お財布にゆとりのあるあなた!ヴィアジェ、ご利用いかがですか?)

さて契約時に支払うbouquet(ブーケ)ですが、
「花束」のほかに「お世辞」「お愛想」なんて意味もあります。
映画の中では petit bouquet と言っていました。

ストレスに弱くて早死にする(わたしのような!)人間にとってはブラックな終身契約と違って
こちらのプチ・ブーケは可憐で美しいですよ。
b0283437_14475274.jpg


b0283437_14475721.jpg

なかなか入手できないJapy、ピンクぼかし。
琺瑯の小さなミルクキャリーポットです。絵柄はパンジーとすずらん。
b0283437_14473968.jpg


内部はミントな綺麗さ、外側も小さな琺瑯の剥げ落ち程度です。

b0283437_1447452.jpg

b0283437_1447482.jpg

b0283437_14473627.jpg


絵柄も 大きさも 状態も「胸キュン」のポットです。(お値段はプチとはいかず、すみません!)

b0283437_14473427.jpg


口径cm 、底直径cm 、高さ(ハンドル含まず)cm
★Japy パンセとミュゲのミルクポット(ピンクぼかし)ご売約 ありがとうございました。
b0283437_203756.jpg


今月末で今年半分が終わります。
春から身辺が騒がしく
疲れがたまっていたせいか
一昨日から腰痛に悩まされております・・・とほほ

ご入金いただき、発送ご希望のお客様、
つつがなく発送完了しております。
(東京のA様 本日発送しました。明細書をメールしますのでお待ちくださいね〜)

今月末ご清算お願いのお客様はよろしくお願いします。
発送ご希望の方はいつでもご連絡ください。

お取置き中のお客様も 来月末で一旦発送となります。
どうかよろしくお願いいたします。
b0283437_14561946.jpg


いつもお世話になっているお客さまから
すてきな著書出版のお便りをいただきました!
b0283437_1456012.jpg


今号は「春」がテーマだそうで
このあと「夏」の出版が待ち遠しいです。

店主、Amazonで早速買っちゃいました。
ちらほらと 当店から旅立った器も・・・・ きゃっ 光栄ですッ
b0283437_14564768.jpg


b0283437_1514156.jpg


M様 本当にありがとうございました。
これからも大いに期待しています!


←興味のある方はポチッと・・アマゾン.jpの商品ページへジャンプします。
b0283437_11273283.jpg


最後のすずらんはぐっと大人のすずらん。
大きめのピルケースですが 型抜きではなくエタンを打ち出しで作ってあります。

b0283437_11272640.jpg

b0283437_11271640.jpg

b0283437_11271258.jpg


手にした時の心地よい重さ
開閉のスムーズさは抜群です。

b0283437_1127953.jpg


蓋に一輪のすずらんが まるでフィルム・ノワールさながらに作者の銘入りで打ち出されています。
1912年5月1日の日付のある こちらもフィルム・ノワールな絵はがきとともに。
閉めた状態で直径5.5センチ 高さ1.9センチ

★フィルム・ノワールなエタンのケースセット ご売約 ありがとうございました
b0283437_20103785.jpg


とかく「かわいい」「可憐」といった甘いイメージのすずらんの花ですが
こんなふうにシンプルなデザイン化されたすずらんはいかがでしょうか。
同柄でカフェオレボウルもありますね。

マリンブルーの涼しげなスズラン柄
直径20.5センチ
デザート用のお皿ですが 幅広く活用できるサイズです。

素地の出っ張り、釉飛び、素地の凹み(釉薬がかかっています)など
b0283437_201033100.jpg

b0283437_2010253.jpg


完品ではありませんが、十分ご使用になれるコンディションです。
バドンビレー 1920〜60年のバックスタンプ
b0283437_20101974.jpg


古物に関して細かなことは気にしない! という方向けです。

b0283437_20101559.jpg

★涼しげなすずらんパターンのセット ご売約 ありがとうございました。

b0283437_17573053.jpg


昨日も今日も30℃前後まで気温が上がり
なんだか「日照り型の夏」の嫌な予感が・・・

今夜は ひんやり透き通ったすずらんたちで クールダウンしましょう。

小さなキャラフは蓋が失われています。
b0283437_1757251.jpg


お尻を見ると吹きガラス独特の切断面があります。
b0283437_17572274.jpg


1900〜1930年頃の物だと思います。
小さなグラスはショットグラスとビールグラスの中間ぐらい。
ハーブ入りの健康酒用の物です。
どちらも違うセット品のものですが 涼やかに並べてみました。
b0283437_17572751.jpg


すずらんの小キャラフ(蓋なし)高さ17.3センチ
すずらんの小グラス 高さ7.5センチ
どちらもヒビやカケのない美品です。
★すゞやかすずらんのセット ご売約 ありがとうございました。
このところ公私で落ち着かず
ゆっくり映画も観てられない・・・。

てなわけで
こんなときには 「プチ特集」。

蒸し暑い梅雨でも
毎日心には 真っ白なおろしたてのシャツを着せられるように。
清々しいすずらんの香りをあなたに。

b0283437_20503331.jpg


b0283437_2050312.jpg


b0283437_20502788.jpg


明晩から3晩連続です。
お時間ありましたら どうかご訪問ください。

店主
b0283437_15492253.jpg


梅雨ですが 昨日、今日と 少し暑くなりました。
店主がこそこそと接ぎ木したり 植え替えたりしたあじさいの花が元気に咲いています。

紫陽花や 帷子時の 薄浅黄

芭蕉の句です。
帷子(かたびら)とは裏地のない「単衣(ひとえ)の着物」
つまり夏服なので ちょうど今頃 衣替えの頃の句ですね。

浅葱色とは「葱(ねぎ)」の字でわかるように
青ネギの浅い緑の部分のような涼しげな色です。

このアジサイ 白から青みを帯びて行くのですが
咲き初め(といっても萼ですけどね)はこんなふうにうっすら浅葱色。

この涼しげな雰囲気が好きで、
同じく夏の季語で植物を詠むときに使う「万緑」の高杯に生けてみました。

この高杯は湿気とは無縁の南仏の古い陶器。
b0283437_165286.jpg


アタリがあってテラコッタが見えていたり
b0283437_1655835.jpg


釉ムラが星雲のように見えたり
b0283437_1654628.jpg


b0283437_165496.jpg


窯の中で灰をかぶって不思議な色になっている部分があったり。
b0283437_1654496.jpg


こういう感じが大好きです。
見込みに「ぐるぐる」轆轤のあともあっていい味出してます。
夏の小さな花器代わりにでもいかが?

b0283437_167717.jpg

口径15.5センチ 高さ10.5センチ

★南仏・万緑の高杯  ご売約 ありがとうございました
b0283437_207373.jpg


「ブリッジ・オブ・スパイ」
1946年、イギリス W.チャーチルに
鉄のカーテンがあると言わしめた東西冷戦時代(1950~60年代)の実話の映画化です。

1963年、
すでに50年の懲役刑期の決まっていたソビエト側の壮年スパイと
捕虜となったアメリカ人の青年パイロットとの交換が
ある橋の上でなされました。
当時グリーニカー橋と呼ばれたその橋は、東西ベルリンを分断する橋でした。

下手をすると冷戦どころか 核兵器を用いての戦争にもなりかねなかったこの交換。
すべての「交渉人」として選ばれたのはごく普通のひとりの弁護士・ジェームズ・ドノバンでした。

脚本 コーエン兄弟、監督 S.スピルバーグ。
主演 トム・ハンクス、
そしてソビエト側のスパイ・ルドルフ・アベルを演じた
マーク・ライアンス(イギリスの俳優さん)はアカデミー助演男優賞を受賞しています。

1950年代、60年代のアメリカ、ドイツ、ソビエト(ロシア)が舞台として再現されています。
(アメリカに関しては細部にわたり丁寧です。
ドイツ、ソビエトは少々「雪景色」に頼って雑になっていますがまあ良しとしましょう。)

何度かの面接、対話を通してドノバンとアベルは
自らの運命に抗わず、全力を尽くそうとする男らしさを
お互いの中に見出して心を通わせ合っていくのですが
これが二人の最高の役者によって、態(わざ)とらしさなど微塵もなく見事に演じられています。

実に地味なストーリーにも関わらず
映画ファンにとっては、いろいろな意味で「むねのすく」作品に仕上がっています。

若い方は東西冷戦時代のことを少し勉強してから見ると
いっそう面白いと思います。
未見の方は是非ご覧ください。

さて アベルは絵が非常にうまかったらしく
映画の始まりもアベルが鏡を見ながら自画像を描くシーンからです。

鏡の中の自分に アベルは何を語っていたのでしょうか。
誰も信じることをせず、自分であって自分ではない異国でのスパイ生活。
「お前は誰だ?」
アベルはいつも小さな鏡に向かって
そう問い続けて生きていたのかも知れません。

b0283437_20125144.jpg


メルキュールガラスを使った
ナポレオン3世デザインの小振りな鏡。

b0283437_20124899.jpg


100年くらい昔のものです。
台の上に立てても フックで壁にかけても使えます。

b0283437_20124455.jpg


今の鏡にはない 枯れた曇りが味になっています。

b0283437_20123944.jpg

b0283437_20123512.jpg


平置きで25cm×20cm
小さくてもコーナーの雰囲気を引き締める、洗練されたデザインのミラーです。
(状態の良い物はなかなか見つからないので、お探しの方はこの機会に是非どうぞ。)

★ナポレオン3世 古風な鏡  ご売約 ありがとうございました
b0283437_185435.jpg


今日から6月。
先月は個人的に大波乱の月となりましたが、まあ それはおいといて、
先月、国内で一番注目されたニュースの一つは
サミットのついでに(ごめんなさい、悪意のある言い方で)広島に行ったオバマ大統領のことだったのではないでしょうか。

オバマ氏 27日広島訪問 と新聞に見出しが躍った5月27日
ある詩人の通夜が東京都内で営まれた。
84歳で逝った山岡和範さんだ。
広島市から40キロほど離れた瀬戸内の島で育った山岡さんは、
13歳だった1945年8月6日の夕、
通学先で被爆して漁船で運ばれてきた一つ年下の友人の顔を見た。

ふくれあがってくずれ
どこが目でどこが口なのか
見分けることができない火傷をしていた
母親が泣きながら
でこぼこになった顔のへこみに
桃のかんづめを おそるおそる
押し込むように食べさせていた

原爆は、そういう顔をいくつ生み出したのだろう。
山岡さんが存命なら、オバマ大統領が広島で語った「爆弾が落ちた瞬間を思い起こし、
目の前の光景に困惑する子供たちの恐怖を自ら感じます」との言葉に、
少年の日に見た光景を思い出したかもしれない。
山岡さんは被爆した友を何度も見送ってきた。
そうしてこんな詩を残した。

ぼくのとなりにいて彼は死んだ
ぼくはむちゅうでにげた
死んだ彼はぼくのかげになっていた
ぼくは彼をふりきるように走ったが
彼はぼくといっしょに走った
ぼくは走った
彼のかげを背負ったまま走った・・・

(山岡和範詩選集140篇)

そんな影を背負ったまま、詩人は逝った。
それは「核なき世界」が実現せぬ限り、決して消えることのない影だ。
〈中日新聞・5月28日「中日春秋」より〉

被爆者が涙し 現アメリカ合衆国大統領がやさしく彼を抱擁する写真が
各新聞の第一面に掲載されました。

オバマ氏は任期の最後に 「功績」として広島を訪れたのであろうことは誰もが推測できます。
それでも やはりあの瞬間 目頭が熱くなってしまった店主です。

b0283437_1883738.jpg

互いに支えあう姿勢を思い起こさせる 美しいパニエの編み目。

b0283437_189626.jpg

古いコルベイユなので 釉ムラがあったり
虫喰いのように見えるスポット状の釉抜けがあったりします。

b0283437_189231.jpg

b0283437_189913.jpg

でも大切に使われた証しに ヒビやカケといった大きなダメージはありません。

b0283437_1891218.jpg


編まれた線の一つひとつが全体のバランスをとっていて
窯印もありませんが、とても物静かな調和のとれたコルベイユの姿をかたちづくっています。

b0283437_18105881.jpg

直径23.5センチ
★19世紀 平和を願うコルベイユ深皿 ご売約 ありがとうございました