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昔、二年間ほどデザインスクールという部類の学校に通ったことがあります。
入学してまず色の名前とマンセルの色層環、
3つの絵の具だけで色を塗るという授業を受けた事を覚えています。

「白」の絵の具はもちろんありますが、「使ってはいけません」と言われました。
基本、白い紙に透明水彩で描く時は 白を使うと「色が濁る」からだそうで
塗らない部分=白なのです。

大人になって、特に古い陶器をいろいろ見るようになって
白のなかにも実に様々な「色」があるんだなぁと感じます。

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寒い日が続くので、寒さに弱い植物はみな家の中です。
鉢カバーとして使っている「白」
大きなコンフィチュールポット、モントローのモルチエー(すり鉢)、フタを失った塩壷。
カケたり、剥げたり、もうキッチンからはリタイアした面々です。
みんな のんびり楽しそうにグリーンと馴染んでいます^^

一方、そんな乱暴な(?)扱いはやめてよね という声が聞こえてきそうな「白」もあります。
今は美術館に並んでいる事が多いと言われるポントシュー窯のお皿。(18世紀末ごろ)
デザート皿の大きさですが、羊や馬、王家の家紋でもあるユリのレリーフがくっきりと美しく、
「高貴の出」を雄弁に語る「白」です。

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さて 1月も明日でおわりです。
この厳冬 雪深い北国の雪の色は どんな「白」でしょうか。
私のような者には想像もできない 雪国のご苦労がおありだと思います
事故なく 無事に春を迎えられますように…。
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2009年公開作品「ダウト/あるカトリック学校で」のメリル・ストリープはこわいです。
「小公女」のミンチン先生より怖いかも。

メリル・ストリープ、
フィリップ・シーモア・ホフマン、
ヴィオラ・デイヴィス、
エイミー・ワトソンといった
出演陣の演技の上手さが見ものです。
台詞のなかに深い意味を持たせる、舞台劇のような緊張感もたまりません。

真実が見えないとき 人はどんなきっかけで信じるか信じないかの決断をするのでしょうか。
裁判員裁判が実施されていますが、複雑な事件の裁判員に選ばれたら
どんなに心労するだろうと思います。

「猜疑心は破れた羽根布団のなかの羽根のように
またたくうちに外に飛んでいってしまう。
あちらにもこちらにも どれほどの距離を飛んでいくかも分からない。
しかもそれは あっという間に飛散して
そうなったらもう収集のしようがなくなる」

誰にでも少なからず経験があるかもしれません。
人を褒める噂はそんなに広がらないのに
人をおとしめる噂、疑い つまり「ダウト」は
文字通り「羽根が生えたように」そこら中に飛び散るものです。

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映画のサブタイトルにあるように、物語の舞台はあるカトリック学校です。
冬の出来事でもあり、みんな黒い服装で
個人的な「ダウト」のカラーイメージはこんな感じです。



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★「神の仔羊」シルバーピルケースあるいはロザリオケースsold
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こんなに寒いのになんでまたぞっとしなきゃいけないの、と言われそうですが
好きな怖い映画「アウェイクニング」のご紹介。
主演はレベッカ・ホール、昨年夏公開のイギリス映画です。

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AWAKENING
意味は「覚醒」です。
恐怖には「きゃーっ」という怖さとぞっとする怖さがあります。
本篇は間違いなく「ぞっ」とします。

第一次世界大戦を終わらせたのは、ご存知のように
日本ではスペイン風邪と呼ばれたインフルエンザの大流行です。
中世のペストの大流行のときもそうでしたが、人々の心に
「死」がごく身近だった時代背景がポイントのあらすじとなっています。

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作品の中で大きなドールハウスが怖さを倍増させる道具として使われています。
私はこの箇所がいちばん怖かったです・・・。

昔、翻訳家の戸田奈津子さんが「ホラーとスリラーの違い」について語っていましたが、
怪物じみたものや、血しぶき的な要素が殆どないこの作品は、
個人的には「スリラー」じゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

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愛しい人が亡くなったときよく作られたルリケールと呼ばれる聖遺物ケース(オブジェ)です。
裏に作成した美容室のラベルが貼られています。★sold
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1950年のフランス映画「オルフェ」は、詩人ジャン・コクトー
(上の合成写真は34歳のコクトー)が監督した有名な作品です。

まだ小さい頃に、テレビで母親が観ているので一緒に観たのですが、ものすごく衝撃的でした。
アニメじゃなく、もや~っとはしてましたが実写で人が鏡の向こう側へ入っていくのです!
子ども心に恐ろしくもあり 美しくもある光景でした。

この映画はコクトーがギリシャ神話を「50年当時の現代」に置き換えて、
「前衛とはこれだ」的な(?)少々過剰な演出をしている作品ですが、
後の世の映画界に多くの影響を残しています。

今でもちゃんとDVDで売られていますので、(途中少々眠くなるかもれませんが)
いちどコクトーの世界に浸ってみてはいかがでしょうか。

ナポレオン三世時代の小さな(14.5×20センチ)鏡です。
100年前の人々と出来事を映してきました。

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最初は置き型だったものを、壁掛けにしたようです。
たぶん重さで幾度となく倒れたのでしょう。
カケたり クギ打たれたりしていますが、しっかりしています。

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14世紀にヴェネツィアのガラス職人がガラスの裏に錫と水銀を長時間かけて定着させ
今のように反射性に優れた鏡が誕生しました。
手間も費用もかかった鏡は、当然 裕福な人たちだけのものでした。

分厚く面取りされた鏡。
高価な黒檀で作られたフレームには計算され尽くしたような
優美な植物もチーフが彫られています。
丁寧に埃を取ればもっときれいになるでしょうが、あえて購入時のまま…。
★ナポレオン三世時代の鏡 sold
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子どもの頃読んだ「おはなし」で、一番のお気に入りは「ほら吹き男爵の冒険」でした。
(この男爵、ちゃんと実在したモデルがいて、ミュンヒハウゼン男爵という18世紀の貴族です。)

ウソと分かっていても、思わず聞き入ってしまう楽しいほら話は
その気になって聴くからおもしろいのです。
想像の中にだけある世界に、
自分がいると思う事でワクワクするのです。
その「ワクワク」が大人になっても変わらずにあれば、
それはあなたの生活をちょっぴり豊かな物にしてくれるかもしれません。

ティム・バートン監督の「ビッグ・フィッシュ」は、
しっかり「ワクワク乗せられて」見てほしい映画です。

「え?そんなのウソ」「ばかばかしい」・・・
そんな風に考えた途端、中にこっそり隠れている「真実」はすっかり消えてしまいます。

人はどんなときにも、自分で自分をおとぎ話の主人公にする想像力を絶やしてはダメ。
特にラストシーンではそう強く思わせてくれる作品でした。

さて ビッグフィッシュの真逆ですが
今日は 小さな和の物。
この小さな藍色の魚。

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なかなか動きのある筆致で好きです。
この釉溜まりと
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この高台裏に心惹かれてしまいました。
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どうも個人的には 南(沖縄以南)のものに思えてしょうがないのですが・・・

★南方風の(?)ぐい呑みsold

おまけ
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ひところ有名になったf(エフ)分の1のゆらぎ。
人の心拍音や ガタンゴトンという眠くなる電車の音などに
この快感の揺らぎが存在するんだそうです。

クラシック音楽ではモーツァルトの音楽がこれだそうで、
聴くとたいていの人は「心地よい」と感じる音。
そういえば、おなかの赤ちゃんに聴かせる胎教音楽も
乳牛や野菜の発育過程で聴かせるのも圧倒的にモーツァルト。

今夜は雨になる予報で
雲が低くなってきました。
窓辺、吹きガラスのドーム越しの風景が
こんなにゆらゆら。

100年以上の時を経てきたものたちが持つ
私にとってはこれも
「f 分の1のゆらぎ」です。

★ナポレオン三世時代の小型ガラスドーム sold
・・・と聴いて「ウィーン少年合唱団」と答えるか
ヘイリーと答えるか。
年齢差30歳くらいでしょうか・・・???
年齢の話題から逃げる意味でも
私はまず2004年の映画「コーラス」を連想します。

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1962年のディズニー映画「青きドナウ」で聴いた完璧なボーイソプラノではなく
ちょっぴり元気な子どもらしさや、飾りのないナイーブさがあって、すごく自然でいいんです。

第二次世界大戦後の混乱と貧しさのフランス。
孤児や問題児を預かる学校、というか施設「池の底」。
そこに赴任して来た音楽教師マチューは、
気持ちの荒んだこどもたちに「コーラス」を教えます…。

素晴らしいボーイソプラノの美少年(!)は吹き替えではなく
実際の合唱団のメンバーの少年。
私が「こんな人になりたい!」と思うマチュー先生を好演しているのは
これまた私が大好きな俳優ジェラール・ジュニョー。
(「バティニョールおじさん」や「幸せはシャンソニア劇場から」もDVDで是非ご覧ください!)

映画の構成としては「ニューシネマパラダイス」に似てます。
ラストの台詞がじんわり心にしみるところも似てるかな・・・?

なお、この映画は1944年の「春の凱歌」という映画が元になっています。
(フランスのAmazonでは購入可能なようです。)
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天使モノのアンティークはたくさんありますが
これはボルドー窯の天使のお皿。
絵柄のテーマは、バロック様式の祖、ベランがあみだした「ベラン文様」といわれるものです。
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すぐに「サイコ」って読めましたか?
(哲学や心理学に関係する単語はラテン語由来が多いんですね)

1960年 アルフレッド・ヒッチコックの名を不動の物にした映画です。
例のシャワールームのシーンでは、
モノクロなのに見る者の目には赤い血を見た恐怖心がひりひりと突き刺さります。

この映画の中で、主人公の「母親」が住んでいる屋敷の部屋に
貴婦人の両手を組んだようなデザインのブロンズ(?)の
蓋付きボックスが置いてあるのが映ります。
(ビンス・ボーンが演じたカラーのリメイク版でも 忠実にこの箱が登場します。)
記憶にない方は今度DVDを借りてじっくり見てください。

ビクトリア時代にヨーロッパで大流行した「貴婦人の手」。
「敬愛」「忠節」「貞節」などの意味があるようです。


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さて この「手」が持っているのは 税務署に提出する法定調書の袋。
毎年 この時期、寒風の中を歩いて市役所と税務署へ行きます。


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きまって寒さが一番厳しい頃なので、毎年、税務署の中の
暑いくらいの暖房の効き過ぎにいらっとする私です。

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★飴色の板に金の貴婦人の手のクリップ sold
☆銀色のトレイつきクリップ sold

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2007年のジャン・ベッケル監督作品に「画家と庭師とカンパーニュ
(原題は「私と庭師との対話」という映画があります。
この映画には原作があり、アーティストとしても有名なアンリ・クエコという人の小説です。

都会での家族との生活に疲れ、故郷に戻ってきた画家は、
実家の荒れ果てた庭の手入れをしてくれる庭師をさがします。
すると来てくれたのは、なんと昔の幼なじみ。

2人はまったく違う道を歩む事になった互いの人生を語り合い、
言い合いをしたり、仲良く釣りをしたり、
豊かな田舎の自然のなかで穏やかな日々を過ごします。

人生は菜園と同じ。
まかれた種が成長し 花を咲かせ 実を実らせて人々の喜びとなる。
種を残し やがては枯れて土に帰るけれど なんて人生は素敵なんだろう。

都会での見栄や形式主義にとらわれて、いつしか忘れてしまった「人生で一番大切なもの」。
庭師にそれを「手渡された」とき、画家はもういちど、
今度は本当の自分の人生を生きようと思うのでした。

明るい日差し、美しい花々、おもしろいカフェオレボウルの使いかたまで、
スクリーンから片時も目が離せませんでした。
ちょっぴり切なく涙するラストも 決して「悲しい」気持ちにはなりません。
とても心に残った 好きな映画です。

画家は絵筆をさしておくのに こんなピッチャーを使ったんじゃないかな。
白い花がやさしく絵つけされています。
写真の白いバラは わが家の庭で咲いた「冬咲き」のバラです。

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暖かな日差しが待ち遠しい 大寒の候です。

★南仏の小さなピッチャー sold
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両親にすごく感謝する事の一つは
本や映画の素晴らしさを早くから教えてくれた事に加えて
チャンスさえあれば一流の音楽を聴く機会を与えてくれた事です。

中でもオペラを聴き(観に)にいくことは特別にワクワクする「イベント」でした。
生まれて始めて鑑賞したのはワーグナーの「ローエングリン」でした。
大きなホールにドレスアップして集まるお客さん。
すてきな香水のかおりが此処彼処から漂い、
オケピから生のオーケストラの音がわき上がるように響いて
めちゃくちゃ「スペシャル」な夜でした。

さて 時は流れて化粧もろくにしない「おばちゃん」にはなりましたが
それでもたまにはオペラを聴きにいきます。

ヴェルディの「椿姫」では あらためてアリアの美しさに感動しました。
で、やっぱりいいわぁ〜〜と思ったのは
アルフレードの父が愛する息子を思ってしみじみ歌う「プロヴァンスの海と陸」です。

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