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瑠璃色古雑貨店

幸福の重さ vs 不幸の重さ

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業田良家(ごうだよしいえ)さんの漫画を実写化した映画作品

「自虐の詩(うた)」(2007)をご覧になった事がおありでしょうか。

レトロな風景とコミカルな演出に惹かれて何気なく見出したのですが、

中谷美紀さんの演技力に気持よく酔いました。

素晴らしい女優さんだと思います。


「不幸」が服を着て歩いているような主人公ユキエさん。

ユキエさんに働かせて 働かせて 自分は何もしないヒモ亭主イサオ(阿部寛)。

ご飯が気に入らないといってちゃぶ台を星一徹のようにひっくり返す、

何も理由がなくてもひっくり返す・・・

ユキエさんは泣きながら片付け 出て行くイサオにお金まで取られ・・・

と、これだけ読んで「なんだ とんでもない暗くて理不尽な映画じゃない」と思ってはいけません。


ユキエさんの過去がストーリーに織り込まれて進むうちに

なぜ彼女が今の暮らしを精一杯つづけているのか

なぜイサオがそんな男なのにけっきょくユキエさんのところに帰ってくるのかが分かります。


物理的にも精神的にも砂漠のように乾ききった少女時代

たった一人 友達と呼べた「熊本さん」を

ユキエさんは心ならずも「裏切って」しまうのです。

そして そのあと襲いかかった更なる不幸の中から

やっと自分の手のひらに舞い降りた「友情」の温かみに泣きじゃくったユキエさん。


あれからあの「熊本さん」はどうなったんだろう と誰もが心配する筈ですが・・・

それは映画のラストに報告されます。

冒頭の『?』で観るのをやめず 最後までこの作品をご覧になってください。


人生の幸せも 不幸せも その値打ちになんら変わりはない。

どちらも重さは同じ。

・・・これが作者からのメッセージです。


ちゃぶ台ごと 食器ごと なんでもひっくり返すイサオくんに負けないようにするには

これくらい大きくて重い食器はどうだ! と思ったのがこの古い古いお皿。


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フランス王家の紋章まで入ったエタンの大皿、18世紀末のものです。

間違いなく貴族が所有していたお皿です。


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摩耗で切れや 穴があいていますが

そんなダメージさえが

このお皿が周囲に放つ時の重さに花を添えているようです。


★フランス18世紀のエタン大皿 ご売約 ありがとうございました。



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by ruriiro_ameri | 2016-12-27 22:00 | 異国の古物 | Trackback | Comments(0)

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